『日本人のための経済原論』(小室直樹)を読みました。

 今日からブログを書いてみようと思います。内容は殆どが書評のようなものになるかと思います。

 

今回紹介するのは『日本人のための経済原論』(小室直樹)という本です。

この本の冒頭に「この本の目的は、経済のエッセンスへむかって一直線、経済の神髄を理解するにある」とあります。

正直、経済の神髄を理解したいなら経済学の教科書を読んだほうがいいです。ここに書かれている経済原論的な話は、需要と供給の法則と、乗数効果の話くらいでした。

 

それ以外の話で印象的なのは、日本経済は混交経済(社会主義と資本主義と封建制の混交)であり、家産官僚制国家である、という話でした。

 

まず混交経済について、資本主義は明治時代からスタートしたものの、封建制の名残が色濃く残っており、かつ20世紀半ばの戦時経済において官僚統制の社会主義が入り込んだということです。この部分は日本経済において非常に重要なところだと思うのですが、詳しく書く気力がないので、本をぜひ読んでみて下さい。

それから家産官僚制国家というのは、官僚が公私の区別がついていないということです。欧米の近代国家は依法官僚制です。官僚は近代法に則って仕事をするそうです。要するに法治国家か人治国家かの違いです。

この二つの論点は歴史や文化などの幅広い知識から分析されていますので、経済学の基礎みたいな話よりも価値があるかと思います。